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HubSpotカスタムイベント:Pro+で使える「行動の記録」とは何か

2026年03月19日更新 2026年03月19日初出)|執筆者:西岡草実(Soma Nishioka)
HubSpot CRM
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この記事はニュースレターの内容をもとに、ブログ記事として再構成したものです。

カスタムイベントを使うと、HubSpotが標準では取得できない行動データ(製品の利用状況、購入行動、オフライン接点、外部ツールのアクティビティ等)をCRMに集約し、ワークフローやレポートで活用できるようになります。これまではEnterprise限定の機能でしたが、Pro+への開放でぐっと導入しやすくなりました。

カスタムイベントがPro+でも利用可能になったことを示すアップデート画面

今回は、このカスタムイベントの基本的な情報、どのようなことができるのかを紹介します。

カスタムイベントと他のHubSpotデータ(オブジェクト等)との違い

HubSpotでデータを管理するとき、コンタクトや会社、取引、カスタムオブジェクトなど「オブジェクト」という箱の中で管理します。

これはすでにご存知のとおりかと。

海外のHubSpotパートナーが使っていた表現ではありますが、オブジェクトとカスタムイベントの関係を「品詞」に例えると、わかりやすくなります。

オブジェクト=「名詞」
「誰が」「何が」という、ある時点の状態を表すもの。コンタクト、会社、取引、これらは全て名詞にあたります。

カスタムイベント=「動詞」
「何をした」「何が起きた」という、過去の行動を時系列で記録するもの。オブジェクトに紐づく形で「いつ、何があったか」を蓄積していきます。

オブジェクト=名詞、カスタムイベント=動詞の関係を示す図

オブジェクト=名詞(現在の状態)、カスタムイベント=動詞(時系列で蓄積される行動)

では、名詞や動詞に紐づく「プロパティ」は何か。

HubSpotのSenior Product ManagerであるMaggie P.氏は、これを病院の用紙に例えています。用紙のタイトルがオブジェクトやイベント、用紙の中の各入力項目がプロパティ、そこに書き込んだ内容が値(バリュー)です。

プロパティの概念を用紙の入力項目に例えた図

プロパティは用紙の入力項目、値は書き込んだ内容

たとえば、「コンタクト」が「ウェビナーに参加した」という動きの中では、プロパティは「どのウェビナーに」「いつ」「どのデバイスから」参加したのか、という詳細な付加情報にあたります。

カスタムイベントにおいては、ウェビナーの参加履歴やアンケートの回答結果をコンタクトプロパティに保存すると新しい値で上書きされるし、レポートに出せないしで嫌だから「マーケティングイベント」や「アンケートへの回答」、あるいは「カスタムオブジェクト」にレコードとして保存させていた、あの処理を思い浮かべていただければわかるかなと。

注意

いつ、何回、どのような文脈でログインしたか、その全てが時系列で残る。この「蓄積」がカスタムイベントの強みです。プロパティは新しい値で上書きされますが、カスタムイベントは発生するたびに履歴として積み上がります。

カスタムイベントで何ができるのか

ワークフローとの連動

カスタムイベントは、ワークフローの登録トリガーや分岐条件として使えます。

一例を挙げれば、「トライアル開始」というカスタムイベントが発生した瞬間に、オンボーディング用のメールシーケンスを自動で開始する。

あるいは、「初期設定完了」というイベントが発生するまで最大7日間待ち、期間内に完了しなければフォローアップメールを送る。こうした制御が、1つのワークフロー内で完結します。

カスタムイベントをトリガーにしたワークフローの設定例

トライアルのユーザーに営業がアプローチをかける。オンボーディングで特定の部分に詰まっているユーザーにCSがサポートする。SaaSでは、このようなアプローチが容易にしやすくなったといえますね。

コンタクトタイムラインでの可視化

カスタムイベントは、コンタクトレコードのタイムラインに自動的に表示されます。営業担当者が商談前にタイムラインを開けば、「この人はレポート機能を3回使った後に問い合わせしてきた」「先週のウェビナーに参加した直後に価格ページを閲覧している」といった行動の文脈が見えるようになります。

Microsoft ClarityとかHotjar連携している人は、アプリイベントがタイムラインで見れていると思うので、あんな感じでカスタムイベントが見れるとイメージしていただければ。

レポートでの分析

カスタムイベントのデータは、カスタムレポートビルダーのデータソースとしても使えます。具体的には、特定のイベント(機能の初回利用、デモ予約など)の発生数を時系列で追跡したり、「この機能を使ったコンタクトの成約率は何%か」といったイベント×取引の相関分析を組むことができます。

取得したセグメントのフィルター要素としても使えるので、「セグメントの重複」レポートを使って、トライアルユーザーの中で特定のイベントを達成したユーザーとそうでないユーザーで顧客になったのはどれくらいいるか?とかより具体的な分析なども可能です。

他に挙げるとすれば、マルチステップフォームの遷移やページ内に埋め込んだ動画の視聴データの取得でしょうか。HubSpotのContent Hub Pro以上であれば、動画を埋め込んだ際の視聴データなどを取得できますが、多くのHubSpotユーザーはContent Hubを使っていないので、どう連携させるか?が肝でしたが、このカスタムイベントを使えば、ページ内に埋め込んだYouTube動画の視聴データもコンタクトに紐づける形で保存可能です。

これまでGA4で分析結果を出して、HubSpotに移動してイベントを設定して〜みたいなことをせず、HubSpot内で処理を完結できるケースも多くなるのではないでしょうか?下の画像はレポートのイメージです。

カスタムイベントを使ったレポートの例1

カスタムイベントを使ったレポートの例2

ProプランとEnterpriseプランの違い

Proで利用できるようになったとはいえ、Enterpriseとの機能差は存在します。

項目ProEnterprise
イベントビジュアライザーなし(JavaScript / API / インポートで作成)あり(マウス操作でイベント化)
月間イベント完了数1,000万回3,000万回
カスタマージャーニー分析レポートなし(カスタムレポートで個別追跡)あり(複数タッチポイント横断分析)

イベントビジュアライザーは、ウェブサイト上のボタンクリックやURL遷移をマウス操作だけでイベント化できるノーコードツールです。ProではJavaScript、API、またはスプレッドシートインポートでイベント作成が可能です。ただ、実際のところGTMやAPIで対応できるケースがほとんどなので、ここで困ることは少ないはずです。

月間イベント完了数の上限
Proは1,000万回、Enterpriseは3,000万回です。多くの中堅規模のサイトやB2Bサービスであれば、Proの上限で十分カバーできるし、気にしなくていいと思います。イベントは「イベント管理>モニタリング」で追えます。

イベント管理のモニタリング画面

カスタマージャーニー分析レポート
複数のタッチポイントを横断してコンバージョン経路を統計的に分析する機能はEnterprise限定です。明確な違いは何かと言われればこのレポート機能がそれに該当するのではないでしょうか?

Proではカスタムレポートビルダーで個別にイベントデータを追う形になります。

カスタマージャーニー分析レポートの画面(画像はHubSpotより)

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西岡 草実

執筆者

西岡 草実(Soma Nishioka)

HubSpot Solutions Provider

アユダンテ株式会社でSEO/コンテンツ制作、株式会社100でHubSpotコンサルタントを経験。現在はsoma24として、企業規模を問わずHubSpotの成果最大化を支援しています。

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