自己申告アトリビューションのススメ。フォームで「どこで知りましたか?」を聞く理由
この記事は2026年2月のニュースレターの内容を元にしたものです。自己申告アトリビューション(Self-Reported Attribution)とは、フォームの入力者に「どこで当社を知りましたか?」と直接聞くことで流入経路を把握する手法です。ツールによる自動トラッキングとは異なり、ユーザー自身の認識に基づいた情報が得られます。
きっかけはSEO専門家 Lily Ray 氏の発言
Xで流れてきた記事「If You've Been Investing in SEO, You're on the Right Track With GEO: An AMA With Lily Ray」を読んでいる最中に、以下の発言に目が止まりました。
Include self-reported attribution: Next, build self-reported attribution into your contact forms or CRM. Ask people directly how they found you. It's one of the only ways to connect offline intent with AI exposure.
【Claude訳】
自己申告によるレポーティングを取り入れる:次に、コンタクトフォームやCRMに自己申告型のアトリビューション(流入経路の特定)機能を組み込みましょう。どのようにして自社を知ったのかを直接尋ねるのです。これは、オフラインでの購買意欲とAIへの接触を結びつける数少ない方法の一つです。
GEO(Generative Engine Optimization)の文脈ではありますが、アトリビューション全般に通じる話です。AIによる検索・推薦が増える中、従来のUTMパラメータやCookieベースのトラッキングだけでは「ユーザーが本当にどこで自社を知ったか」を正確に把握しきれなくなってきています。
自己申告アトリビューションとは
HubSpotでアトリビューションを語る際、いくつかの段階・レベルに分けて話されると思いますが、その中でも自己申告アトリビューション、要は フォーム入力者に「あなたはどこでウチを知りましたか?」を聞く項目を用意する手法 は最も手軽で、確度の高い方法と言えます。
具体的には、フォームにテキスト入力欄、あるいはドロップダウンやラジオボタンで以下のような選択肢を用意します。
- Google検索
- SNS(X / Instagram / LinkedIn など)
- 知人・同僚からの紹介
- ウェビナー / イベント
- AIチャット(ChatGPT / Gemini など)
- ニュースレター / メルマガ
- その他(自由記述)
フォームに項目が1つ増えるという点を懸念される方もいるかもしれませんが、アトリビューションを気にされるのであれば選択肢から除外するのはもったいないかなぁと思います。
テキスト入力式と選択式のどっちがいいのかは悩ましいところですが、一般的には選択式を選ばれるケースが多いです。理由としてはデータとしてクリーンなので手間要らずですぐレポートによる可視化が可能です。選択式は上の方が選ばれやすかったりするので選択肢の出し方には気をつけたいですね。一方で、テキスト入力は選択肢によるバイアスがないので確実にどのソースだったかを把握できる可能性が高いです(ちゃんと入力してくれれば)。
ちなみにドロップボックス・ラジオボタンで「その他」を選んだ後に、自由記述欄のテキストフィールドを自動で出させるといったこともHubSpotでは可能ですが、これにはMarketing HubのPro以上のプランが必要です。
それはちょっと高いので...という方には回避策として、選択式とテキスト入力をどっちもフォームに出して、その他を選んだ人は下を入力してください(任意)のような形で組み込むことはできますが、項目数が増えて見えるので離脱リスクが高まるのでおすすめはしないですね。
どのフォームに入れるべきか
注意点として、全てのフォームに入れることを推奨しているわけではないです。フォームの目的によって優先度が変わります。
| フォームの種類 | 優先度 | 理由 |
|---|---|---|
| 問い合わせ | 高 | 商談に直結するリードの流入経路を把握できる |
| サービス資料請求 | 高 | 検討度の高いリードがどこから来ているかが分かる |
| デモ依頼 | 高 | 同上 |
| ウェビナー申込 | 中 | 集客チャネルの把握に有用 |
| ニュースレター購読 | 低 | 項目を増やすとCVRに影響しやすい。オリジナルソース等で代替可能 |
ポイントは、商談に近いフォームほど優先度が高い ということです。「どのチャネルが新規リードを生んだか」だけでなく「どのチャネルが商談を生んだか」を見たい場合、ファネル下部のフォームでこそ自己申告の価値が出ます。
HubSpotの「オリジナルソース」プロパティはCookieベースで自動取得されるため、ニュースレター購読のようなライトなフォームではそちらに任せるという使い分けもできます。ただし、オリジナルソースは最初のセッションの情報なので、時間が経つほど現実の認知経路とズレが出る点は意識しておく必要があります。ワークフローが使えるなら、フォーム送信時点での最新のトラフィックソース関連のプロパティーを別の保存用プロパティーなり、オブジェクトなりに保存させるのも有効です。
フォーム以外の方法
もしフォームに項目を追加できない事情がある場合、初回の打ち合わせ・ヒアリングの場で担当者が聞いて入力する という方法もあります。
営業担当やインサイドセールスが「ちなみにどちらで弊社をお知りになりましたか?」と聞き、HubSpotのコンタクトレコードに記録するだけです。フォームほどスケーラブルではありませんが、対面・オンライン商談の場で聞く方が回答の精度は高くなる場合もあります。
皆さんがHubSpotでどんなデータ管理・パイプライン/ステージ設定をされているか前提が分からないので不確かなことは言えませんが、コンタクト作成時と取引作成時のアトリビューション(流入経路)を記録するプロパティーは分けておいた方がいいのではないかと個人的には思っています。
執筆後記
自己申告アトリビューションは、フォームに「どこで知りましたか?」を1項目追加するだけで始められる、最もシンプルで確度の高い効果測定手法です。AI経由の流入のようにツールでは捕捉しにくいチャネルも把握でき、施策の振り返りに活きるデータが得られます。
まだフォームに入れていない方は、まずは問い合わせフォームから試してみてはいかがでしょうか。
HubSpotのフォーム機能については「HubSpotフォームの使い方ガイド|作成・カスタマイズから活用まで」で詳しく解説しています。
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執筆者
西岡 草実(Soma Nishioka)
HubSpot Solutions Provider
アユダンテ株式会社でSEO/コンテンツ制作、株式会社100でHubSpotコンサルタントを経験。現在はsoma24として、企業規模を問わずHubSpotの成果最大化を支援しています。
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