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HubSpotインポートの手順と関連付けの設定方法。失敗しないデータ取り込みガイド

2026年02月25日更新 2026年02月13日初出)|執筆者:西岡草実(Soma Nishioka)
HubSpot CRM
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HubSpotを使い始める際や、外部データをCRMに取り込む際に必ず通るのがインポート機能です。正しくインポートできれば運用はスムーズに立ち上がりますが、準備不足のまま進めると重複や関連付けの不整合が起きて、後の修正にかなりの工数がかかります。

この記事では、インポートの手順、複数オブジェクトの同時インポート、よくあるエラーと対処法についてまとめます。

インポートの手順

対応フォーマットとファイル制限

ファイルアップロード画面 — CSV、XLSX、XLSに対応

HubSpotのインポートは CSV、XLSX、XLS の3形式に対応しています。ファイルの制限はプランによって異なります。

無料プランStarter以上
ファイルサイズ上限20MB512MB
1ファイルあたりの行数上限(日次上限で制御)1,048,576行
1日あたりのインポート回数50回500回
1日あたりの行数上限50万行1,000万行

個人的には CSV をおすすめしています。Excelファイルは列のデータ型を勝手に変換することがあって(日付、電話番号の先頭ゼロが消えるなど)、意図しないデータが入る原因になります。

注意

Excelファイルを使う場合はシートが1つだけであることも確認してください。複数シートがあるとインポートできません。

ステップ1. ファイルの準備

ここが一番大事です。ファイルの準備で手を抜くと、インポート後のデータ修正に何倍も時間がかかります。ファイルの作り方について詳しくはHubSpot公式: インポートファイルのセットアップも参照してください。

列名(ヘッダー)の確認

ファイルの1行目が列名(ヘッダー)になっている必要があります。HubSpotのプロパティー名と完全に一致させなくても大丈夫ですが、なるべく近い名称にしておくとマッピングの手間が減ります。なお、列の並び順はどうでもよくて、インポートに影響しません。

インポート用CSVファイルのサンプル — 1行目がヘッダー、2行目以降がデータ

必須項目の確認

各オブジェクトには、インポートで新規レコードを作成する際に最低限必要な項目があります。

オブジェクト必須項目
コンタクト姓、名、Eメールのいずれか1つ以上
企業企業名またはドメイン名のいずれか1つ以上
取引取引名、パイプライン、取引ステージ
チケットチケット名、パイプライン、チケットステータス
注意

コンタクトの必須項目は「Eメール」だけではありません。姓または名だけでもレコードは作成できます。ただし、既存レコードの重複判定と更新にはEメールが使われるので、Eメールは実質的に必須です。Eメールなしでインポートすると、同じ人物を後から追加したときに重複レコードになります。

とはいえ、たとえば営業代理店のユーザー様がクライアントのアタックリストをHubSpotで管理していきたいとなった場合、A社とB社で被った時に判断に困るので、あえてメールアドレスは別のプロパティーにいれ、姓名で(〜社リスト)のような管理をする場合もあります。ただこれはあくまで例外ですね。

ステップ2. インポートの実行

インポートは [データ管理]>[データ連携] から開始するか、オブジェクトの一覧画面(コンタクト一覧など)の右上にある [インポート] からもアクセスできます。

データ管理>データ連携画面からインポートを開始する

コンタクトだけの場合は クイックインポート(コンタクトのみ) が使えます。関連付けやオプション設定が不要で手順が少ないので、コンタクトだけ入れたいときはこちらの方が楽です。

コンタクト以外のオブジェクトや、関連付け・詳細設定が必要な場合は 詳細インポート(全てのオブジェクト) を選びます。

インポート方法の選択画面 — クイックインポートと詳細インポート

詳細インポートの手順

  1. [インポート] をクリック → [詳細インポート(全てのオブジェクト))] を選択
  2. インポート先のオブジェクトを選択
  3. インポート方法を選択
    • 新規作成+更新: 新しいレコードを作成しつつ、既存レコードも更新する
    • 新規作成のみ: 新しいレコードだけ作成する(既存レコードは無視)
    • 既存の更新のみ: 既存レコードだけ更新する(新規作成しない)
  4. ファイルをアップロード
  5. 列とプロパティーのマッピングを確認
  6. インポート名を入力し、 [インポートを完了する] をクリック

ステップ3. 列のマッピング

インポートファイルの列名をHubSpotのプロパティーにマッピング(紐づけ)する画面が表示されます。列名がプロパティー名に近い場合はHubSpotが自動でマッピングを提案してくれますが、必ず目視で確認してください。

自動マッピングの提案が間違っていることはわりとあります。特に日本語の列名は誤認識されやすいので、1列ずつ確認する手間は惜しまない方がいいです。

インポート時の列マッピング画面 — プロパティーの自動提案と新規作成

マッピングしたくない列は「インポートしない」を選択すれば除外できます。マッピング先に適切なプロパティーがない場合は、この画面から直接新しいカスタムプロパティーを作成することもできます。

なお、マッピング画面でエラーが検出された場合、ファイルを修正して再アップロードしなくても画面上で値を直接編集・置換できます。たとえば選択肢の表記揺れをその場で修正したり、特定の値だけインポート対象外にしたりできるので、覚えておくと便利です。

マッピング画面でのエラー修正 — 列オプションの不一致をその場で置換できる
注意

選択式プロパティーの値は、表示名ではなく内部値で一致している必要があります。HubSpotのデフォルトプロパティー(ライフサイクルステージ、業種など)は英語の内部値が使われていることが多いので注意してください。プロパティーの仕組みについては「HubSpotプロパティーの基本知識」で解説しています。

ユニークID(一意識別子)について

既存レコードの更新や重複防止には、一意識別子の設定が重要です。

オブジェクト使える一意識別子
コンタクトEメール、レコードID、ユニーク値カスタムプロパティー
企業企業ドメイン名、レコードID、ユニーク値カスタムプロパティー
取引・チケットレコードID、ユニーク値カスタムプロパティー

レコードIDを含めた場合、他の一意識別子よりレコードIDが優先されます。既存レコードのレコードIDを調べるにはエクスポート機能を使ってください。

テストインポートの進め方

作業に慣れていない場合、大量のデータをいきなり本番インポートするのはやめた方がいいです。本番の前に、10〜20行程度のテストインポートを必ずやってください

テスト後に確認すべきこと

テストインポートを実施後、以下の画面を開いて結果を目視確認します。

インポートしたレコードの詳細画面
各プロパティーの値が正しく入っているか

プロパティー設定画面
選択式プロパティーに不要な選択肢が追加されていないか

関連付け
コンタクトと企業などの紐づけが正しいか(レコード詳細の右サイドバーで確認できます)

インポート履歴画面 — エラー件数・新規レコード数の確認とエラーファイルのダウンロード

インポート履歴の見方や分析方法についてはHubSpot公式: 過去のインポートを表示して分析で詳しく解説されています。

複数オブジェクトの同時インポート

HubSpotでは、1回のインポートで複数のオブジェクトを同時に取り込んで、関連付けまで行うことができます。便利ですが、単一オブジェクトのインポートより難易度が上がるので、慣れてから使うことをおすすめします。公式の手順はHubSpot公式: 複数のオブジェクトのレコードをインポートするにまとまっています。

1つのファイルで複数オブジェクトをインポート

たとえば、コンタクトと企業を同時にインポートする場合、1つのファイルに両方の情報を含めます。1行=1人のコンタクト+その人に関連付く1社、というセットです。

ここで重要なのが、企業側の一意識別子を含めるかどうかで、企業レコードの作られ方がまったく変わる点です。

企業ドメイン名を含める場合(推奨)

Eメール企業名企業ドメイン名業種
yamada@abc.co.jp太郎山田株式会社ABCabc.co.jpIT
sato@abc.co.jp花子佐藤株式会社ABCabc.co.jpIT
tanaka@xyz.co.jp一郎田中株式会社XYZxyz.co.jp製造

この場合、同じ企業ドメイン名(abc.co.jp)を持つ行は同じ1つの企業レコードとして扱われます。つまり「株式会社ABC」は1社だけ作られ、山田さんと佐藤さんの両方がその1社に関連付きます。

企業ドメイン名を含めた場合:同じドメインのコンタクトは1つの企業レコードにまとまる

企業ドメイン名を含めない場合

Eメール企業名業種
yamada@abc.co.jp太郎山田株式会社ABCIT
sato@abc.co.jp花子佐藤株式会社ABCIT

企業ドメイン名やレコードIDなどの一意識別子を含めないと、ファイルの各行がそれぞれ別の企業レコードとして作成されます。上の例だと「株式会社ABC」が2つできて、山田さんと佐藤さんがそれぞれ別の企業レコードに紐づきます。同じ社名でも別レコードになるので、後から統合する手間が発生します。

企業ドメイン名を含めない場合:同じ社名でも行ごとに別の企業レコードが作成される

お客さんの環境でこのパターンをよく見かけます。「企業名は入れたのに、同じ会社が何十件もできてる」というのは、だいたい企業ドメイン名の列を入れていなかったのが原因です。

注意

企業の一意識別子としては企業ドメイン名が基本です。企業名だけでは同名の別会社と区別できず、一意識別子としても使えません。ファイルに企業ドメイン名の列を用意して、インポート時に企業オブジェクトの固有IDとしてマッピングしてください。

ただし、日本の大企業ではグループ共通ドメインに注意が必要です。たとえばパナソニックのように親会社も子会社も同じドメイン(xxx.co.jp)を使っているケースでは、本体・子会社・事業部がすべて同じ1社に集約されてしまいます。さらにHubSpotの自動関連付け機能(コンタクトのメールドメインと企業ドメインの一致で自動紐付け)もONだと、意図しない関連付けが起きます。

なお、HubSpotはサブドメインは別会社として認識しますpanasonic.comconnect.panasonic.com は別の企業レコードになります。一方、panasonic.com/jp/industry のようなパス付きURLはパス部分が無視されて panasonic.com として扱われるので、パスで事業部を分けることはできません。

こうしたケースでは以下の対応が考えられます。

  • 自動関連付けをオフにする: [設定]の「会社を作成してコンタクトに関連付ける」をオフにして、インポートやワークフローで明示的に関連付ける
  • カスタムプロパティーを固有IDにする: 法人ID、グループ会社コード、基幹システムの取引先コードなどを「固有の値を必要とするプロパティー」として作成し、ドメインの代わりに固有IDとして使う
  • 除外ドメインを設定する: 自動関連付けは残しつつ、大企業のグループドメインだけ除外リストに登録する。中小企業は自動関連付けの恩恵を受けつつ、大企業は手動管理するハイブリッド運用

B2Bで大企業やグループ会社を扱う案件では、初期設定の段階でこの挙動を確認しておくことをおすすめします。

2つのファイルで複数オブジェクトをインポート

オブジェクトごとにファイルを分けてインポートする方法もあります。コンタクト用のファイルと企業用のファイルをそれぞれ用意し、2つのファイルに共通のキー列を持たせて関連付けます。

たとえば、以下のようにファイルを分けます。

コンタクトファイル

Eメール企業キー
yamada@abc.co.jp太郎山田ABC-001
sato@abc.co.jp花子佐藤ABC-001
tanaka@xyz.co.jp一郎田中XYZ-001

企業ファイル

企業キー企業名企業ドメイン名業種
ABC-001株式会社ABCabc.co.jpIT
XYZ-001株式会社XYZxyz.co.jp製造

インポート時に「複数のファイル」を選択して、共通列として「企業キー」を指定します。企業ファイル側の「企業キー」が固有IDとして扱われるので、ABC-001 を持つ山田さんと佐藤さんが同じ株式会社ABCに関連付きます。

1ファイル方式と2ファイル方式の使い分け

関連付けの結果自体は同じにできます。違うのはデータの準備しやすさと運用面です。

1ファイル方式2ファイル方式
向いているデータ1行にコンタクト+企業がまとまった顧客台帳別システムからCSVが別々にエクスポートされる場合
企業の管理同じ企業情報を行ごとに繰り返す企業マスタとして1社1行で管理できる
再インポートファイルを丸ごと作り直す企業ファイルだけ差し替えて更新できる
手軽さファイル1つで完結共通キー列の設計が必要

正直なところ、複数オブジェクトの同時インポートは慣れるまで混乱しやすいです。

初めてであれば、まず企業だけHubSpotにインポートして、会社レコードの更新が可能になる「レコードID」を持たせる。次に、その会社レコードをエクスポートして、インポート予定のコンタクトのファイルの1列に関連付けた「会社のレコードID」を付与。残るはそのコンタクトファイルをインポートして企業に関連付けて完了、というように1オブジェクトずつやった方が安全です。

これを導入支援の時に口で説明すると毎回??て顔されるので、以下の画像で流れを把握いただけると...

1オブジェクトずつインポートする手順:企業インポート → レコードID取得 → コンタクトインポートで関連付け

インポート時の重複処理

既にCRMにデータが存在する場合、インポートで重複レコードが作成される可能性があります。HubSpotは一意識別子を基準に重複を判定します。

オブジェクトデフォルトの一意識別子
コンタクトEメールアドレス
企業企業ドメイン名
取引・チケットレコードID

インポート時に「新規作成+更新」または「既存の更新のみ」を選択すると、一意識別子に一致するレコードが既にある場合はデータの上書き更新になり、新しいレコードは作成されません。

注意

更新インポートでも、インポートファイル内の空白セルで既存の値が消されることはありません。値がある列のみ上書きされます。つまり、特定のプロパティーだけを一括更新したい場合にもインポートは使えます。地味に便利です。さらに、マッピング画面で特定のプロパティーに「上書きしない」を設定することもできます。この場合、新規レコードや値が一度も設定されていないレコードだけが更新対象になります。

インポートすべきでないデータ

「せっかくだから全部入れよう」は、インポートでいちばんやりがちな失敗です。何を入れて何を入れないか、先に決めておいた方がいいです。

活用見込みのないデータ

古い顧客データや、他システムの管理番号だけで識別されるレコードなど、HubSpotで使う予定のないデータは入れない方がいいです。CRMがゴミデータで埋まって、検索やリスト作成のノイズになります。現在進行中の商談や、今後連絡する可能性のあるコンタクトに絞ってください。

名寄せが済んでいないデータ

同一人物が複数行に分かれたファイルをそのまま入れると、重複レコードが大量にできます。先にExcel上で名寄せしてください。

参考例

GDPRなどのデータプライバシー法の下では、コンタクトの個人データを処理するには法的根拠が必要です。HubSpotには「コンタクトのデータを処理するための法的根拠」というプロパティーがあり、正当な利害関係(リード・顧客)、契約の履行、本人の同意などの根拠を記録できます。

インポート時にもこの法的根拠を付与できるので、データプライバシー設定をONにしている場合は、インポートファイルに法的根拠の列を含めることを検討してください。法的根拠なしでコンタクトデータを処理すると、コンプライアンス上のリスクになります。詳しくはHubSpot公式ドキュメント(法的根拠の追跡)を参照してください。

インポート時の法的根拠の選択画面 — 正当な利害関係、契約の履行、同意などから選択

よくあるエラーと対処法

インポート完了後、 [データ管理]>[データ連携] のインポート履歴からエラーの詳細を確認できます。エラーが発生した行はダウンロードして個別に確認可能です。全エラーコードの一覧はHubSpot公式: レコードのインポートエラーの確認とトラブルシューティングを参照してください。

エラー何が起きるか対処法
Missing required property必須項目が空の行はインポートされない該当行に必須項目を記入して再インポート
Could not parse date日付が不正な行は、日付プロパティーが空のまま取り込まれる日付形式を統一して再インポート
Invalid enumeration option選択肢が一致しない行は、そのプロパティーが空のまま取り込まれる内部値と完全一致させて再インポート
Property definition not foundマッピング先が存在しない列はインポートされない事前にプロパティーを作成するか、マッピングで新規作成
Failed validation of Emailメール形式が不正な行はインポートされないメールアドレスのフォーマットを修正
Create only import「新規のみ」を選んだが既存レコードと一致した更新もしたい場合は「新規作成+更新」で再インポート
Association record not found関連付けのキー値が不一致で、レコードは入るが関連付けされないユニーク識別子の値を修正して再インポート
注意

エラーが出た行だけを修正して再インポートする場合は、「新規作成+更新」を選んでください。修正分だけが上書きされて、正常にインポート済みのレコードには影響しません。

執筆後記

避けては通れないインポート作業、HubSpot導入の鬼門の1つですよね。データ設計をしないまま、えいや!でインポートすると事後処理で苦しむという...。この記事を読んで、そういうことねと理解されてインポートを完璧にこなせた方、ぜひよきHubSpotライフを。

もしインポートで躓いてしまった方、よければインポート前のHubSpotにおけるデータ設計からお付き合いしますので60分の無料相談に興味があれば、お気軽にご連絡ください。

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西岡 草実

執筆者

西岡 草実(Soma Nishioka)

HubSpot Solutions Provider

アユダンテ株式会社でSEO/コンテンツ制作、株式会社100でHubSpotコンサルタントを経験。現在はsoma24として、企業規模を問わずHubSpotの成果最大化を支援しています。

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